こんにちは、Yutaroです。
今回の記事は、僕の「ワーホリ体験談シリーズ」です。
このブログ記事タイトルからも予想が付くと思いますが、3時間以上顔を殴られた忘れもしない夜の実話です(笑)
「ワーホリあるある」とも言えるかも知れませんが、ワーキングホリデー中にちょっと変わった人と出会うことはよくあります。
その中でも、1番飛びぬけてクレイジーな奴と出会った時の体験談をしたいと思います。
流石に彼の本名は出せないので、Yoshimasa(仮名)としましょう。
前半はYoshimasaがどんな人物かの紹介をしているだけなので、時間のない方は「Yoshimasaに3時間以上顔を殴られ続けた話」から読んでください。
クレイジージャパニーズYoshimasaとの出会い
まずは「Yoshimasaとはいったいどういう奴なのか?」「どこでYoshimasaと出会ったのか」について軽く紹介をしたいと思います。
Yoshimasaとはどこで出会ったの?
Yoshimasaとは、オーストラリアでワーホリ中にトマトファームで出会いました。
僕はワーホリのセカンドビザが欲しかったため、ファームジョブで有名なバンダバーグで働いていたんですね。
Yoshimasaは、僕が到着した2週間後くらいに同じファームに来ました。
僕とYoshimasaは違うファームグループに所属していたので住む場所は全く違うけど、仕事の時だけ同じファームで一緒に働くってイメージです。
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Yoshimasaっていったいどんな奴!?
Yoshimasaと初めて出会った時は、120㎏を超える大柄な青年でした。身長は僕と同じくらいで、175㎝ほどだったと思います。
誰とでも仲良くなれるスーパーフレンドリーな好青年って感じで、第一印象はかなり良かったです。
違うファームのグループから来ていたので普通ならそこまで関わることはないのですが、彼のスーパーフレンドリーな性格と独特なオーバーオールと麦藁帽の恰好からすぐに僕のグループの日本人に気に入られ、ファームで仕事中に一緒に行動をするようになったんです。
Yoshimasaは、僕より3つくらい下だったので当時で21歳くらいだったと思います。
ギター1本でオーストラリアにワーホリに来たミュージシャンで、YouTubeに音楽動画をたくさんあげていました。
何度も言いますが、彼はめちゃくちゃフレンドリーで、誰とでも仲良くなれるタイプです。
あんなに人付き合いの上手い人間に合ったことはないと断言できるくらい、コミュ力が高いです。
【友達を作るのに英語は関係ない】Yoshimasaの異常なコミュニケーション能力の高さ
Yoshimasaはめちゃくちゃフレンドリーだと言いましたが、彼のコミュニケーション能力がずば抜けて高かったのは鮮明に覚えています。
僕の30年を超える人生の中でも、「彼を超えるコミュニケーション能力を持っている人にまだ出会ってない」と言い切れるくらいコミュ力の塊でしたね。
彼はYouTubeで音楽を配信しているミュージシャンだったので(今もかな?)、英語は全然喋れなかったですが、ギター1本の弾き語りで合流したその日から僕たちのファームグループの人気者になっていました。
ちょっとリーダー格の人にはペコペコする人っているじゃないですか?
なんか媚び売って好かれようとするやつ。
彼もその気があります。
でも、彼の凄さは誰に対しても同じなんです。
誰に対してもペコペコと言ったら聞こえが良くないかも知れないですが、誰に対しても全力で友達になろうとするんです。
僕と話を合わせる為だけにワンピースを全巻読破
いやー、これはビックリしましたね。
僕と話を合わせる為だけに、オンラインでONEPIECEを全巻読破したそうです。
正直、僕は簡単に人に心を開くタイプではありません。あまり、人に興味がないんですよね。
特にワーホリ中は英語上達だけにフォーカスしてたこともあり、日本人の友達はあまり作りたくなかったこともあります。
そんな僕に対してYoshimasaはすごい色んな質問や話をしてくるんですけど、僕は適当に返事をしていたんです。
Yoshimasaは「これではYutaroと友達になれない」と思ったらしく、僕がONEPIECE好きという話を思い出して数日徹夜してONEPIECEを全巻読破したらしいのです。
そこから数日間は、ONEPIECEの話で盛り上がって一気に仲良くなりました(笑)
こんな人に出会ったことありますか?
もうなんか、「一期一会」を大切にしているスゲー奴だなと感心しました。
毎日自転車で1時間かけて遊びに来るすげえ奴
毎日、僕が住むシェアハウスに遊びに来てました。
自転車で1時間かけて。
ファームの仕事って体力仕事なので大変なんですよ。
朝の5時くらいから始まって、忙しいシーズン期は午後の4時くらいまでカンカン照りの中の収穫作業です。元引っ越し屋の僕でもキツイと感じる毎日でした。
休みも2カ月以上ないくらい忙しかったのに、仕事終わりにギター抱えて自転車で遊びに来てました。
毎日です。
脱帽ですね。
みんなの要望に応えてギターで弾き語りして、日本人だけでなく他の国の人からも大人気でしたね。
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【ワーホリ体験談】Yoshimasaに3時間以上顔を殴られ続けた話
何となくYoshimasaがどんな人間なのか分かってもらえたでしょうか?
一言でまとめると、120㎏超えのコミュ力おばけミュージシャンです。
そんなスーパーフレンドリーなYoshimasaに心を開きつつあった僕は、Yoshimasaとどんどん仲良くなっていきました。
しかし、英語を学ぶためにワーホリに来た僕は、英語を話す機会を作るためにYoshimasaと仕事以外ではあまり関わらないようにしていたんです。
僕も他の日本人とは仲良くしていましたが、僕にとってのワーキングホリデーは「英語上達」だったので、Yoshimasaが遊びに来ていても日本人以外の友達と時間を過ごすことが多かったんです。
そんな僕のことが気に入らなかったのかは知らないですが、いきなりYoshimasaの態度が変わりました。
いきなりYoshimasaに無視される
Yoshimasaが来てから1カ月くらい経った頃だったと思います。
僕ともかなり仲良くなっていた頃に、僕のことをいきなり無視し始めたんです。
彼は僕より3つくらい年下なのですが、彼は僕にはずっとタメ口でした。
僕は年下に舐められやすいタイプなんですね。他の年上の日本人には敬語でした(笑)
いままでは「おい、Yutaro!」と呼んでいたのに、この日を境に「あ、Yutaroさん。それ、取ってもらってもいいですか?」と分かりやすく仰々しくなったんです。
他の人には何も変わらず僕にだけ態度が180度変わり、「何もしてないのになんで?」と頭の中がはてなマークだらけでしたね。
さすがに気になってしょうがなかったので本人に聞いてみてたら、「僕がYoshimasaのジョークを無視した」からだそうです。
その日の午後、僕の住むユニットまで遊びに来たYoshimasaに呼び出され、「お前はまだ俺に心を開いてないだろ!仲が良くなったにも関わらず本当の僕を出していないことに俺は怒っているんだ!」と言ってきました。
ちょっと言っている意味が分からなかったですが、「もっと本当の自分を出すこと」を約束にその場で仲直りしました(笑)
仲直りしたのに2回目の無視が始まる
せっかく仲直りして普通の楽しい生活に戻っていたのに、また無視をし始めました。
仲直りしてから2週間目くらいだったと思いますが、全く同じことが起きましたね。
最初は「めんどくさい奴だな」と思ってもう関わらないようにしようかなとも思ったのですが、毎日一緒に働いているから気まずいし、ユニットにも遊びに来ていたので結局また話し合うことに。
「まだお前は俺に心を開いてない」と前回と似たような理由で無視されてたそうです。
もう、「めんどくせー」って気持ち全開だったのと、「お前」って呼ばれることに内心イラっとしてて、口では「ごめんな」と言いつつも、ちょっとずつ距離を置くことにしました。
3回目の無視
3回目の無視です。
今でも覚えています。
ズッキーニの収穫中に無視されたこと。
学生時代も無視やイジメなどとは無縁の生活を送ってきた僕ですが、まさか大人になってこんな経験をすると思わなかったです。
もう、さすがにどうでもよくなっていましたね。
「Yoshimasaもあと2週間くらいでいなくなるらしいし、もう関わらないでおこう」と心に決めてYoshimasaのことは考えないようにしました。
でも、ファームでの生活で人と関係を断つのってすごい難しいんです。
毎日のようにホームパーティーがあって、どこに行ってもYoshimasa、Yoshimasaなのは正直キツかったです。
僕だけウェアウェルパーティーに誘わないYoshimasa
Yoshimasaのバンダバーグでのファーム生活も残り1週間。
Yoshimasaの住んでいるシェアハウスで、から揚げパーティーがあったんですね。
3回目の無視が始めってから口を聞いてなかったYoshimasaとは距離を置きながら、僕はから揚げパーティーを楽しんでいました。
そんな中、Yoshimasaが彼自身のフェアウェルパーティー(お別れ会)を次の金曜日に開くという話をみんなにしているんです。
Yoshimasaはわざわざ1人ずつ「金曜日にYoshimasaのお別れ会するから、絶対きてね!!!」と誘っているんですけど、僕は誘わないんです。
もう意地が悪い。
あえて僕に聞こえるようにみんなに声を掛けて「最後のYoshimasaだよ!何一緒に歌う~!?」なんてワザとらしく場を盛り上げる。
でも絶対に僕には言わないんです。
居心地が悪いったらもう、早く出てって欲しかったです。
Yoshimasaに説教される
Yoshimasaフェアウェル前日の夜です。
Yoshimasaが僕らのユニットのキッチンで得意の牛タンを料理していたのですが、気を抜いたら2人きりになってしまったんです。
2週間以上はろくに会話もしてなかったので僕は気まずかったのですが、Yoshimasaはそんな感じもないんですね
ずっと沈黙だったのにイキナリ「なんでお前だけを俺のパーティーに誘わなかったか分かるか?」と僕に聞いてきました。
僕は何を聞かれたのか一瞬分からなかったので、「・・・」でしたね。
Yoshimasaは続いて、「あえてお前に聞こえるように、他の全員を誘ったんだよ」と言ってきたんです。
「お前は大切な人がいるのに、自分から何もしないんだよ」
「いつも俺がお前の家に遊びに行ってるのに、お前は一度も俺の家に来たことがねえだろ」
って冷静に怒ってるんです。
「いや、お前のことが嫌いだからだよ!」って心の中で叫んでました。
Yoshimasaは「お前には俺の最後のパーティーに参加できなくて、誰か大切な人を失う気持ちを味わわせたかったんだよ」といつも誰かが僕の所に来るわけじゃないんだと、教えたかったそうです。
「いや、なんて勘違い野郎だよ」って思いましたが、あと2日でいなくなるので我慢しました。
Yoshimasaの最終日
Yoshimasa最終日です。
前日の夜に話した時にYoshimasaからパーティーに誘われた僕ですが、行かずにシェアハウスで他の友達とトランプをして遊んでいました。
夜の7時くらいになった時からLINEで鬼のように電話が来てましたが、全部無視してました。
9時を過ぎたあたりですかね、パーティーも終わりかけだったらしいのですが、Yoshimasaが僕のシェアハウスまで来たんです。
「何やってんだよお前。なんで来ねーんだよ」
Yoshimasaがプンプンです。
香港人と台湾人の友達がリビングルームにいたので、Yoshimasaと2人で2階の僕の部屋に行くことにしました。
ここからが地獄の時間でしたね。
Yoshimasaが「俺はこんなにお前に尽くしているのに、なんで来ないんだよ。気が済まないから殴らさせて」って言ってきたんです。(「気が済まないから殴らせて」は一言一句そのまま彼の言葉です)
こんな状況を体験したことある人がいるか分からないですが、空気に飲まれて何も言えなくなるんですよね。
*ちなみにYoshimasaはゲイではないです。友達として好きってことです。
殴り始めるYoshimasa
「俺はこんなにお前に尽くしてるのに!」ボコッ👊
「なんでお前は最後までそんな感じなんだよ!」ボコッ👊
3時間くらいは、こんな感じで殴られていました。
ここまでされて何もしない僕もどうかと思いますが、その時は「明日になればいなくなるから我慢」と、この意味の分からない状況の理解ができていませんでした。
完全に、Yoshimasaの作り出す空気に飲まれて圧倒されてましたね。
【サイドストーリー】ゴキブリ出現!
もう深夜を回ったころです。
僕がベッドに座って、Yoshimasaがベッドに向かいながら殴ってくるんですけど、僕は気づいちゃったんです。
ゴキブリがいることに!
僕の右側の壁をすす~って上に駆け上がっていきました。*僕はゴキブリが大嫌いです。
思わず「ゴ、ゴキブリ!」と叫んでしまいました。
Yoshimasaはまだ怒っているので「おい!ゴキブリと俺どっちが大切なんだよ!」と意味の分からないことを言いだします。
ゴキブリと誰かの取り合いなんて聞いたことがないですね(笑)
そんなこんなしている間にゴキブリがどっか行っちゃいました…
ゴキブリ嫌いな人なら分かると思いますが、ゴキブリを逃してしまった時の「いつ出てくるんだろう?」の恐怖心とYoshimasaのまくし立てるような饒舌な言葉にもう何とも言えない気持ちになっていました。
それから、またしばらくして何故か1つ隣のベッドに移動しました。
そのベッドは、天井に付いてるファンの真下にあるんです。
Yoshimasaは殴り疲れて暑かったんですかね。汗だくでした。
日本では馴染みがないと思いますが、オーストラリアの家はどの部屋もこういったファンが天井に付いています。
ゴキブリまた現れる
はい、ゴキブリがまた現れました。
今度は、クローゼットの中から”カサカサ”と出たり入ったりしています。
Yoshimasaは殴り疲れたのか、ちょっとずつ静かになってきてますがまだまだ饒舌です。
僕は、ゴキブリが気になって仕方ない状態です。
そんな中、何を思ったのかゴキブリが”カサカサ~”と天井に向かって駆け上がっていくんです。
僕はYoshimasaの話を聞くふりをしながら、ゴキブリの行方を必死に目で追っていました。
ゴキブリがグングンと上に駆け上がっていきます。
“カサカサ~”
“カサカサ~”
ゴキブリが天井に着いたと思ったらピタッと止まりました。
僕らのちょうど反対側の壁にピッタリ止まって動きません。
奴が何か変なことをしようとしているのが伝わってくるんですよね。
心臓が高鳴っていくのが自分でも分かります。
Yoshimasaもゴキブリが気になるようですが、怒っている側の立場から平静を装っています。
Yoshimasaを挟み、ゴキブリと僕。お互い見つめ合いながら、数秒が経った時です。
“バサバサッ”
飛びやがりました…
僕とYoshimasa目掛け、一直線に飛んできます。
“バチッ!”
“ボトッ”
・
・
・
・
・
ファンです。
回転するファンにぶつかって真っ二つに割れたゴキブリが、Yoshimasaの真横に落ちました。
“カサカサ~”
真っ二つに割れたゴキブリの上半身だけが、Yoshimasaの横を走り抜けていきます。
僕は人生で初めてファンで真っ二つに割れたゴキブリを見た衝撃と、この緊迫したシチュエーションから笑いが我慢できませんでした。
YoshimasaもYoshimasaで、笑いたいけど頑張って堪えてましたね(笑)
そんなこんなで夜中の1時過ぎ。
もう時間もだいぶ更けてきたのでここで和解し、次の日に僕が駅まで見送りに行くことを条件に帰ってもらいました。
ゴキブリにも助けられましたね。
最後の最後に一言「いや~、やっぱ俺天才だわ」
朝早く起きて、1時間かけ自転車でYoshimasaの家まで迎えに行きました。(なんで、行っちゃう)
これでやっと解放されると思うと、全然苦じゃなかったです(笑)
スーツケースをゴロゴロ転がしながら20分先の駅まで一緒に歩いていきました。
道中はまあ、ず~とYoshimasaが話してましたね。
やっと駅に着き、Yoshimasaの電車が来ました。
あれだけの事がありながら、Yoshimasaはまだ僕が彼のことを友達として好きだと思っていたような素振りでしたね。
Yoshimasaが電車に乗り込む寸前に僕に一言、「あれっ、そういえば顔ぜんぜん腫れてなくね?」
たしかに、あれだけ殴られたのに僕の顔にはアザの一つもなかったんです。
クビはむち打ちみたいでめっちゃ痛かったですけどね。
Yoshimasaは電車に乗り込み、扉が閉まると同時に自分の拳を見つめながら一言。
「いや~、やっぱ俺天才だわ」
プシューと電車の扉が閉まり、そのままいなくなりました。
「最後の最後までYoshimasaかよっ!」とツッコみたくなる終わり方でしたね。
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後日談
この話は僕がよく鉄板ネタとして話すのですが、あれだけ正当化されちゃうと「もしかして自分が悪かったんじゃないか?」と思うこともありました。
後日同じファームの友達から聞いたのですが、僕と全く同じ状況でYoshimasaの被害になった友達がいたそうです。さすがに殴られてはないそうですが。
それ以外にもファームの人と喧嘩してクビになったりと、やっぱり彼がクレイジーだったそうです。
ワーホリ後に日本で会おうみたいな話にはなりましたが、僕が乗り気ではないのが分かったのか実現はしませんでした。
この話は当時のファーム友達には話したことがないので、この話を聞いたらビックリすると思います。
長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました!
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