「the」を完璧に使いこなす!冠詞の意味と使い方を分かりやすく解説

中学校に入り、まず1番最初に習うのが「冠詞」です。

“a, an”と”the”の使い分けは、簡単そうに見えて難しいんです。「an apple(1つのりんご)」なのか「the apple(そのりんご)」で悩む人も多いです。


英語の教科書や文法の参考書にも「~の場合は”a”を使う」なんて書かれていますが、それら全てを理屈で理解するのは至難の業ですよね。

しかし、実際は”the”の使い方さえマスターしてしまえば、使い分けは簡単なんです!


この記事では「冠詞”a”と”the”の使い方」を分かりやすく解説していきます。

英語ネイティブが理解している感覚で”a”と”the”が使いこなせるような記事になっています。

目次

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「the」の正しい発音方法

まず英語の冠詞”the”の使い方を説明する前に、“the”の正しい発音方法を覚えましょう

間違った発音を覚えてしまうと後から修正するのが難しくなってしまうからです。


新しい英単語を覚える際もそうですが、必ず正しい発音を覚えるようにしてください。

間違った発音を直すのは、正しい発音を最初から覚えることよりも遥かに難しいです。

「the」には2種類の発音方法がある

“the”の発音方法には2種類あり、1つ目は最も知られているであろう「ザ」という発音です。


ここでは「ザ」と書いていますが、英語の”th”の音は舌を歯の間に挟んで発音する独特な発音方法になります。

この時に日本語の発音で「ザ」と発音しないように気をつけてください。実際には「ダ」に近い発音になります


若いアメリカ人などは、テキストで「you are the best(お前最高!)」ではなく「ur da best(お前最高!)」など省略した表現を好んで使います。ここで”the”が”da”に変換されているように、発音は非常に似ているんです。

“the”の発音が難しい方は”da”と発音するように練習してみてください。

子音の前は「ザ」母音の前は「ジ」と発音する

子音の前に”the”が来る場合、「ザ」と発音されます。先ほど説明した発音方法ですね。

「 I saw the movie yesterday(その映画は昨日見たよ)」
「This is the best(これが最高)」


母音の前に”the”がくる場合は「ジ」と発音されます。

母音は”a, i. u, e, o”の5つです。

「Are the eggs still good?(その卵まだ大丈夫?)」
「Give me the orange(そのオレンジ取って)」


この「ジ」の発音も日本語で「ジ」ではありません。

舌を歯の間に挟んで「ディ」のような音になります。


英語ネイティブによる詳しい発音方法は、こちらの動画を参考にしてください。

強調したい時も「ジ」が使われる

何かを強調したい時に”the”を使う場合、発音方法は「ジ」が好まれます。


「That was the best movie I have ever watched(あの映画が人生で1番だったよ!)」

このような文章では”the best movie”をさらに強調するために「ザ」ではなく、「ジ」で発音する英語ネイティブが多いです。


「You are the greatest!(お前最高!)」

海外ドラマなどを見ていると、英語ネイティブでも間違った発音で”the”を使うことがあります。


しかし、多くの場合は”the”の次に来る言葉を何にするか考えていることが多いんですね。

レストランで注文する際「Can I have the…」とこのように途中で止まってしまった場合、言いやすい「ジ」が使われることが多いです。

「Can I have the… salad」
「Can I have the… ice cream」

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「the」が英会話で必要不可欠な理由

“the”は、英会話で最も多く使われる英単語って知ってましたか?


“the”が最も多く使われる英単語の大きな理由は、“the”が定冠詞だからです。

定冠詞とは特定の名詞のことを指し、話の中で特定されている場合のみ”the”が名詞の前に使われるんです。

名詞が特定されている場合は「the」不特定の場合は「a / an」が使われる

“the”がそもそも会話の中で使われる最大の理由が、”the”が定冠詞だからですね。

会話をしていて「特定のことについて話しているのか、不特定のことについて話しているのか」をはっきりさせる為にもこのような冠詞が存在します。


例えば「Do you have a pen?(ペンを持っている?)」と誰かに聞く場合、ペンのタイプはどうでもいいので不定冠詞の”a”が名詞の前に使われています。

しかし、「Do you still have the pen that I gave you last year? (去年あげたあのペンまだ持っている?)」だと、お互いに認識のある特定されたペンの話をしているので定冠詞の”the”が使われているんです。

世界に1つだけのものには「the」が付く

共通の認識として世界に1つしかない名詞の前には”the”が使われます


「The sun(太陽)」

太陽は世界に1つだけですね。


「The university of Tokyo(東京大学)」

東京大学も世界に1つだけしかない大学なので、”the”が付きます。

世界に1つしかなくても”the”がつかない名詞も多く存在するので注意が必要です。そちらはこの記事の後半で詳しく解説していきます!

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「the」を使う正しいタイミング

“the”がどのように使われるのかについて軽く説明しましたが、実際には細かなルールが多く存在します。


英語ネイティブだと感覚で使い分けていますが、非ネイティブだとその感覚を掴むのはかなり難しいでしょう。

ルールをしっかりと覚えてしまった方が効率がいいです。


先ほども触れましたが、世界に1つしかないものなのに”the”がつかない例も多いんです。
「The university of Tokyo(東京大学)」には”the”がつきますが、「Tokyo University(東京大学)」にはつきません。

ややこしいですよね?

大変ですが、ある程度のコツを掴むまでは1つ1つ覚えていくしか方法がないんですね。


ここでは、そんな細かな”the”のルールを解説していきます。

形容詞と副詞の最上級の前には「the」がつく

中学校でも習いますが、形容詞と副詞の最上級前には”the”がつきます。

「I am the tallest person in the class(私は学校で1番背が高い)」
「That shop has the greatest cake in Tokyo(あのお店が東京で1番のケーキを売っている) 」


形容詞の最上級には必ず”the”がつきます。普段から”the”を使う癖をつけておきましょう。

「My sister eats the most slowly in our family(妹が家族の中で食べるのが1番遅い) 」
「Among us, he drives the most carefully(彼が私たちの中で最も慎重に運転する) 」


上記は副詞の最上級を使った例題ですが、「in our family(家族の中で)」や「among us(私たちの中で)」など比べる対象がいない場合は”the”はつかなくなります

「only+名詞節」の前

名詞節の前に”only” がつく場合は、”the”がつきます。

「My brother is the only person who can drive in our family(僕の弟だけが家族の中で運転できる)」
「Hawaii is the only place I want to go to now(ハワイだけが今行きたい場所)」


名詞節とは、名詞化している節のことです。節とは、主語と動詞を含む言葉の集まりですね。

上記のセンテンスでは、”the only person who can drive”と”the only place I want to go”が名詞節になっています。


“only”の”o”は母音なので、”the only”の発音は「ジ・オンリー」となりますね。

複数形の国、共和国、連合した国の前

「冠詞”the”をつけるかつけないか」で混乱する1つの原因が、国名です。

「Japan(日本)」や「Korea(韓国)」の前には冠詞がつかないのに対し、「the USA(アメリカ合衆国)」や「the Philippines(フィリピン)」には”the”がつきます。ややこしいですよね?


しかし、これにはそれなりに納得できる理由があり、それらを覚えることで冠詞の使い分けは簡単にできるようになります。

まず、複数形の国には”the”はつきません。


複数形の国

「The Philippines(フィリピン)」
「The Netherlands(オランダ)」
「The Laos(ラオス)」
「The Maldives(モルディブ)」
「The Bahamas(バハマ)」

名前の最後が複数形の”s”で終わるので、簡単ですね。


共和国も”the”がつきます。

共和国

「The Dominican Republic(ドミニカ共和国)」
「The Czech Republic(チェコ共和国)」
「The People’s Republic of China(中華人民共和国)」
「The Republic of South Korea(大韓民国)」
「The Republic of India(インド共和国)」

「China(中国)」や「South Korea(韓国)」も共和国なので、正式名称で呼ぶ場合は”the”がつきます


しかし、略称で飛ぶ際は”the”はつきません

「I went to India last year(去年、インド行ってきた)」
「China is a big Country(中国は大きな国です)」


連合した国にも”the”がつきます。

連合した国

「The United States of America / The USA(アメリカ合衆国)」
「The United Kingdom of Great Britain and Nothern Ireland / The UK(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国・イギリス)」
「The United Arab Emirates / The UAE(アラブ首長国連邦)」

国の正式名称を知ると、冠詞の”the”がつく理由も分かりやすくなりますね。

「~番目の」となる序数の前

「first, second, third(1番目の、2番目の、3番目の)」のように、順位がつく序数の前には必ず冠詞の”the”がつきます。

「I was the second person to win this award(私が2人目にこの賞を受賞した者です)」
「This is the first time I’ve done this(こんなことしたのは今回が初めてです)」


他の冠詞のルールと同じで、不特定のことに関する場合は不特定冠詞が使われます。

「Are you buying a second car(2代目の車を買うの?) 」

海・川・運河・砂漠・山脈の前

海や川、運河、砂漠の前には”the”がつきます。

「The Indian Ocean(インド洋)」
「The Amazon River(アマゾン川)」
「The Panama Canal(パナマ運河)」
「The Sahara Desert(サハラ砂漠)」


山や湖は、複数形でない限り”the”はつきません。

「I have climbed Mount Fuji twice(富士山を2回登頂したことがあります)」


アルプス山脈など、複数の山が集まった山地には”the”がつきます。

「I have been to the Alps twice(アルプス山脈には2回行ったことがあります)」

有名な建物や絵画の前

有名な建物や絵画の前にも”the”がつきます。

「The Tokyo Tower(東京タワー)」
「The Last Supper(最後の晩餐)」

特定されたグループや団体

特定されたグループや団体、時間の前にも”the”がつきます。

「The Japan national baseball team(野球日本代表チーム)」
「The Korean who came to Japan in the 1950s(1950年代に日本に来た韓国人)」
「The Japanese Red Cross Society(日本赤十字社)」

特定の時間や期間

特定の時間や期間にも”the”がつきます。

「I’ll come in the morning(明日の朝に行くよ)」
「My nephew was born in the 2010s(甥は2010年代に産まれた)」

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「the」をつけないとき

先ほどは「”the”を使うタイミング」について解説しましたが、ここでは逆に「”the”がつかないタイミング」を紹介していきます。

人の名前・会社名・大学の前

人の名前や会社名の前には”the”はつけません。

「Have you met Mike?(マイクにはもう会った?) 」
「I had an interview at Toyota yesterday(昨日、トヨタで面接があったんだよね)」


また、基本的に大学名の前には”the”はつきません。

「He got into Tokyo University when he was 16(彼は16歳の時に東京大学に合格した)」


しかし、さきほども触れましたが、”University”が先に来る場合は”the”がつきます。

「He got into the University of Tokyo when he was 16(彼は16歳の時に東京大学に合格した)」

国名・都市・通りの前

さきほど解説した”the”がつく国以外の国名も”the”がつきません。

「I am from Japan(日本から来ました)」
「I have never been to Brazil(ブラジルには行ったことがありません)」


都市や市名、通りの前にも”the”はつきません。

「I live in Brisbane(ブリスベンに住んでいます)」
「Please send this to 35 Southbank Street (これを35番サウスバンク通りに届けてください)」

祝日の前

祝日の前にも”the”はつけません。

「I don’t have any plans for Christmas this year(今年のクリスマスは何も予定がないです)」
「What do you do on Valentine’s Day? (バレンタインデーはいつも何するの?)」

学校の科目・言語・国籍の前

学校で習う科目の前にも”the”はつきません。

「I was so bad at maths in school(学校で数学が本当に苦手だった)」
「My cousin studies music(僕の従妹は音楽を勉強しています)」


また、言語や国籍の前も”the”はつきません。

「I speak Japanese and English(私は日本語と英語を話します)」
「I have an Australian girlfriend(私はオーストラリア人の彼女がいます)」


しかし、言語の後に”language”がくる場合は”the”がつくので注意が必要です。

「I’m studying the English language(英語を勉強しています)」

スポーツの前

スポーツの前にも”the”はつきません。

「I played baseball in high school(高校では野球をプレーしました)」
「I’d love to watch sumo when I go to Japan(日本に行く時は相撲を見たいです)」

特定の場所や施設の前

最後に紹介するのは、非常にややこしい英語にしかないルールになります。

僕も正直、正確に使いこなせる自信はありません(笑)


特定の場所や施設はそこでの目的を示す場合、名詞の前には冠詞がつかないことが多いです。

冠詞がつかない名詞一覧

「I go to school in Saitama(埼玉県の学校に通っています)」
「Please pick me up from home tomorrow(明日、家に迎えに来てくれない?)」
「I gotta get to work(仕事に行かなくちゃ)」
「I’m in bed already(もうベッドにいるよ)」
「He spent 9 years in prison(彼は9年間、監獄にいた)」


しかし同じ場所や施設でも、目的ではなく場所や施設のみを示す場合は冠詞がつきます

冠詞がつくケース

「It is hard to find a good school in Tokyo(東京で良い学校を見つけるのは難しい)」 
「Money can buy you a house, but not a home(お金で家を買うことはできるけど、家庭を買うことはできない) 」
The work I do is easy(俺の仕事は簡単です)」
「I want to buy the bed I saw in the shop yesterday(昨日お店で観たベッドを買いたい)」
「My sister works at one of the prisons in New York(僕の妹はニューヨークにある監獄で働いています)」

この使い分けは英語をやっていくと何となく感覚で理解できるようになりますが、最初のうちは「そんなルールがあるんだ」くらいに考えておけば問題ないです。

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【まとめ】特定されたら「the」をつける!

この記事では「正しい”the”の使い方」を紹介しました。

長々と紹介しましたが、細かなルールも多いので「特定された名詞には”the”をつける」と覚えてしまえばいいかと思います。


冠詞がつかない名詞が多いのでそこで困惑してしまう人も多いですが、それらに冠詞の”the”を付けてしまっても問題なく相手に言いたいことは伝わります。

そこまで気にする必要はないでしょう。


しかし、”a”と”the”の使い分けを間違うと混乱してしまう英語ネイティブも多いです。

そこだけは気をつけてください。


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この記事を書いた人

30代オーストラリアで働くホテルマン。高校3年間英語赤点+100㎏を超える肥満児。22歳の時にフィリピン留学を経験し英語学習を始める。アメリカ横断、ワーホリ、フィリピン勤務、東南アジアバックパッカー等で英語力を磨き、28歳でオーストラリアの大学でホテル経営を学ぶ。ブログでは主に英語学習や海外留学について発信しています!

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